SEO対策を外注した経験がない場合、費用感やサービス内容がわかりづらいでしょう。
SEO対策は大きくわけて固定報酬型・成果報酬型に分かれており、固定報酬型はさらに分類され、まるっと任せるコンサルティングサービスや、記事制作だけ部分的に委託できるコンテンツSEOサービスなどが提供されています。
SEO対策の費用は、目的や難易度によっても異なるため、社内リソースやマーケティング予算・事業目標値を踏まえて検討する必要があります。
以下でSEO対策の費用相場感や、SEO対策会社を選ぶ際の注意点など解説しています。ぜひ参考にしてください。
SEO対策の固定報酬型・成果報酬型の費用相場
SEO対策を外部に依頼する場合、大きく分けて固定報酬型・成果報酬型の2パターンがあります。それぞれのサービス内容・費用相場について解説します。
固定報酬型のSEO対策内容・費用一覧
固定報酬型のSEO対策は、Google検索結果での掲載順位が上がる上がらないに関わらず固定で費用を払う料金形態です。

固定報酬型のメリットは、成果が出ても支払う費用が変わらない点から、SEO対策の予算が立てやすい点です。逆にデメリットとしては、成果が出なかった場合でも費用を払わなければいけない点です。一般的には固定報酬型のサービスを提供しているSEO対策会社が多いのではないでしょうか。
固定報酬型のSEO対策の場合、サービス内容は以下の5パターンに分類されます。
SEO対策サービス概要 | 費用・料金の相場 |
---|---|
コンサルティング | 10万円~50万円(スポット・月額など) |
コンテンツSEO(コンテンツ制作) | 5万円~(1ページあたり) |
SEO内部対策 | 10万円~100万円程度 |
SEO外部対策 | 5万円~15万円程度 |
SEOサイト設計費用 | 10万~100万円程度 |
コンサルティングとしてまるっと対策するSEO対策会社と、コンテンツ制作・内部対策・外部対策など切り分けてサポートしている会社もあります。
SEOサイト設計については、新規Webサイト制作やWebサイトリニューアルのタイミングとなり、Webサイト制作会社が提供しているケースが多いでしょう。
それぞれのSEO対策サービスについて、概要を解説します。
コンサルティング
SEO対策で成果を上げるため、総合的にサポートするコンサルティング支援です。以下で説明している、コンテンツ制作・内容対策・外部対策それぞれサポートしています。

分析・計画立案から進捗報告など手厚いサポートとなるため、費用は高めになります。SEO対策予算が潤沢にあり、システム担当者が在籍している、毎月しっかり施策を実行することができる、このような企業の場合、コンサルティングサービスの効果が現れやすいでしょう。
逆に、予算は不明確、開発リソースが外部、このような場合は施策が上手く実行できず、効果が現れにくいでしょう。
コンサルティングを依頼する場合、どこまでが対象となっているのかを明確にしておく必要があります。高額な費用を支払っても成果がでないばかりか、改善施策自体が進まないリスクもあります。
コンテンツSEO(コンテンツ制作)
コンテンツSEOは、SEOで集客したいキーワードを対象としたWebページを制作するSEO対策となります。
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「ライティングや画像制作にリソースを割けない」という課題を抱えている企業が、部分的にコンテンツ制作を外部委託できるサービス内容となります。
調査・分析・施策については、キーワード調査、現状のSEOトラフィックの分析、競合Webサイトの調査などが該当します。次にカテゴリ・ページ構成の検討を行い、ページごとにライティング・画像(動画)制作を進めます。掲載する文章・画像の素材が準備でき次第、Webページとして本番公開します。
こちらのコンテンツSEOについても、サポート対象範囲を明確にしておく必要があります。ライティングは含まれているか(指示書だけでないか)、画像制作も対応可能か、本番公開も任せていいか?など、細かい作業内容まで具体化しておく必要があります。
コンテンツSEOはSEOライティングというノウハウが必要なライティングとなるため実績もしっかり確認しましょう。ただ文字数を稼いでライティングしただけですと、上位表示は難しいですし、検索結果に表示されない(インデックスされない)可能性もあります。金額が安いからといって依頼するのはリスクです。
費用は1記事コンテンツあたり5万円からが相場です。取材や専門家の監修が必要なテーマとなると、費用もプラスでかかってきます。
SEO内部対策・外部対策
内部対策とは、Webサイト内のタグや内部リンクなど構造を見直すSEO対策です。Webサイト内の設計が整っていないと、記事コンテンツの質が高くとも上位表示が困難となります。

ターゲットとなるキーワード次第では、コンテンツSEOで新規Webページを制作するのではなく、既存ページを見直すことで成果が現れるケースもあります。
また、内部対策では、ターゲットキーワードに対して検索結果に適切なページが表示されるよう改善するため、アクセス数は変化がなくともコンバージョン率が改善する、というケースもあります。
内部対策の一例は、以下のような対策です。
- 内部リンク見直し
- titleタグや見出しタグ改善
- ページ速度改善
- パンくずリストの設置
内部対策については、以下のページも参考にしてください。

一方で、SEO外部対策とは、外部Webサイトから被リンクを獲得するSEO対策となります。

プレスリリースを打ってみたり、自社のWebページを紹介して貰うよう外部Webサイトに被リンク営業を行ったりします。
被リンクは検索順位にとって影響が大きい施策となりますが、対策の手法によってはペナルティを受けるリスクがあります。
例としては、被リンクを送る用のWebページを大量生産し、大量生産したWebページへ自社が強化したいWebページのリンクを設置する方法です。このような被リンク大量生成は、過去はSEO対策として効果がありましたが、現在はスパム・ボットと判断され、ブラックハットSEOと呼ばれる手法となりました。
このようなブラックハットSEOを行っていると、Webサイト全体がペナルティを受けるリスクがあり、一度ペナルティを受けると上位表示はもちろん元々あったSEOトラフィック数まで戻すことも困難となります。
被リンクは効果がありますが、手法に注意してください。前述した内容だけでなく、被リンクを購入することもGoogleは禁止しています。SEO対策を依頼しようと考えているSEO対策会社がブラックハットSEOをやっていないか、商談の際に明確にしておく必要があります。
成果報酬型のSEO対策内容・費用一覧
固定報酬型に対し、成果報酬型SEO対策は、事前に取り決めをした目標が達成された場合にのみ費用が発生する料金形態です。

一例としては、ターゲット設定したキーワードが検索結果10位以内にランクインした場合、ランクインした日数から費用が算出されます。10位以内にランクインした費用(報酬)は一律ではなく、掲載順位やキーワード難易度によって変動します。
成果報酬型のメリットは、成果が伴わければ費用を支払わなくていい点ですが、デメリットとしては予算計画が立てづらい点です。
一般的に、成果が出た場合(報酬が発生する場合)は、固定報酬型より高い料金設定となるため、多くの費用を支払う必要があります。突如多額に費用を支払う必要があり、支払いサイトの調整が必要になるケースもあるでしょう。
費用感としては、リスティング広告で出稿した場合の予算感をイメージすると良いでしょう。難易度が高いキーワード=リスティング広告でもクリック単価が高いキーワードです。クリック単価が高いキーワードに対して、機会損失なく広告出稿した場合の広告予算はとても高くなります。
成果報酬型の場合は、リスティング広告と同程度まではいわずとも、予算感として近しい相場感を覚悟しておく必要があります。
また、成果報酬型なので、固定報酬型と比べて、細かな進捗報告も期待できません。進めているSEO対策の内容など、状況がどうなっているか把握しづらい点があるため、上司や会社がいまいち成果報酬型SEO対策の仕組みを理解できていない場合、固定報酬型の選択のほうが良いでしょう。
意味ない?!SEO対策の費用対効果
「SEO対策はすぐに結果が出ない」「対策しても効果が出ない可能性がある」このようなデメリットを聞くと、時間とお金を投資する必要があるのか?と懐疑的になるでしょう。
上司や会社が理解してくれないと、投資しづらいマーケティング施策になります。しかし、SEO対策は意味がないものではなく、得られるリターンは大きいです。
以下でSEO対策の効果としてアクセスが伸びている事例と、リスティング広告・SNSとの比較ポイントを解説します。
SEO対策の費用対効果
以下の図は、弊社がコンテンツ制作(コンテンツSEO)をサポートしているWebサイトの1年間のアクセス状況です。「平均オーガニック流入」のオレンジ線が、自然検索経由のアクセス数(トラフィック)を示しています。
ご覧いただいているとおり、日数が経つにつれて右肩上がりでトラフィックが伸びており、SEO対策はコツコツ継続して取り組むことが重要であることがわかります。

以下の図は、検索結果の順位の推移(1年間)を示しています。日数が経つにつれ、1位〜3位の高い掲載順位を獲得できているキーワード数が増えており、トラフィックに比例していることがわかります。

このグラフで紹介している事例は、SEO対策が上手くいっている事例ですが、SEO対策の効果が発揮されると、毎月の広告予算を増やさずともアクセス数(トラフィック)を伸ばすことが可能です。
このような状況まで自然検索経由のトラフィックを伸ばせた場合、自社にとっての見込み客をたくさんWebサイトへ誘導することができるため、高いマーケティング効果が得られます。
リスティング広告やSNSとの比較
以下に、SEO対策・リスティング広告・SNS(広告ではなく公式アカウント)の費用対効果を比較します。
比較ポイント | SEO対策 | リスティング | SNS |
---|---|---|---|
即効性 | 効果が得られるまで半年~1年間は覚悟 | 早い場合は5営業日ほどでスタート可能 | もともとの知名度による |
費用 | 初期投資は必要であるが上手くいけばメンテナンス費用のみ | アクセスを確保するために未来永劫広告費用が必要 | 話題を生むために投稿内容の企画・制作が必要 |
SEO対策の特徴としては、初期投資が大きくなる点です。かつ、効果が見えづらいため、忍耐力が必要となります。
しかし上手く稼動し始めると、あとは定期メンテナンス中心となり、Webサイトへ見込み客を誘導し続けてくれます。
注意点としては、Google検索アルゴリズムのアップデートとなります。SEO対策のアプローチ次第では、アルゴリズムアップデートのタイミングで大きく順位を下げてしまうリスクはあります。SNSで例えると、新たなSNSプラットフォームの台頭であり、新たなSNSプラットフォームに対して対策する必要性が生じる、といったような労力が必要となります。
自分でできる?SEO対策を外部に依頼する判断基準
ここまでSEO対策の費用感や、SEO対策で得られる効果を解説してきました。SEO対策は自分でできますが、経験が乏しい場合は外部への委託を検討する会社が多いと思います。
外部に委託したほうが良いか、自分達でやったほうが良いのか、判断基準を解説します。
- 社内リソースとマーケティング予算
- SEO対策が向いている業種であるか
社内リソースとマーケティング予算

SEO対策を自社で実施しようと考えても、社内で対応できる担当者の決定と、担当者の時間確保が必要となります。無理やり時間を割いたとしても、SEO対策は長期に渡るため、コツコツと継続することは困難であり、挫折してしまう可能性が高いです。
一方で、外部のSEO対策会社に委託した場合、専門的な知見をもとに効果のある施策が実行されますが、半年から1年と長い期間で委託費用が発生します。
結局のところ、社内リソース・マーケティング予算を踏まえて、無理なく継続できる長期的な計画を検討する必要があります。
SEO対策コンサルティングの他に、Webサイトの改修や開発にかける予算は用意できるのか?内部施策が難しい場合、コンテンツSEOだけでも進めるか?限られたリソースのなかで、優先順位を決める必要があります。
投資できるマーケティング予算が確定していれば、SEO対策会社から実施できる施策を提案してもらえるでしょう。マーケティング予算はビジネスの現状と目標を踏まえて設定してください。
SEO対策が向いている業種であるか
すべての会社がSEO対策を実施すべき、という訳ではありません。業種・業界によって、SEO対策が効果的な企業と、そうでない企業が存在します。
効果的な企業としては、購買・契約にあたって比較検討する商品・サービスとなり、高額なものや長く使うものが該当します。
以下のページでも紹介していますが、クレジットカード・住宅ローンなどの金融商品や、化粧水・美容クリームなどの美容アイテム、これらの商品・サービスが該当します。また、BtoBの商品・サービスの場合も、契約後に長く利用される可能性が高いため、SEO対策は効果的であると考えられます。

SEO対策会社の選び方
SEO対策会社を選ぶ際は、以下の点を踏まえて実績などを確認することが大切です。

- 作業内容・サービス対応範囲を確認
- ブラックハットSEOをやらないか確認
- 実績・実例の公開
- 個人は危険?契約書の内容
- コミュニケーションの相性
作業内容・サービス対応範囲を確認
コンテンツSEOだけをとっても、キーワード調査・記事構成・ライティング・画像制作・本番公開など、プロセスは多岐に渡ります。
希望の内容にしっかり対応してくれるか、対応範囲を確認してください。費用をかけたのに、全然動いてくれない、SEO対策の成果が出ない、という事態に陥ります。
ブラックハットSEOをやらないか確認
前述した外部対策「被リンク」ですが、検索エンジンから評価される被リンクは「自然」に獲得したものであり、大量生成したり購入したりするべきものではありません。
万が一、商談に進んでいるSEO対策会社が「被リンクによる掲載順位向上を狙う」と提案してきた場合は注意してください。運営している大量生成ページから自演リンクにて被リンクを獲得する、という施策の可能性が高く、ガイドライン違反のため検索エンジン(Google)からペナルティを受ける可能性が高いです。
また、「自社にとって有益なサジェストキーワードを生成してSEO対策に活かす」という提案も危険です。意図的に特定キーワードの検索ボリュームを増やす施策はペナルティを受けるリスクが高まります。
実績・実例の公開
検索エンジンのアルゴリズムは常にアップデートされています。10年前や5年前の実績があるといっても今現在通用するかは不明です。
また、意外に感じると思いますが、大手企業の実績が豊富なSEO対策会社にも注意点があります。2024年現在は、ドメイン評価が高いため、大手企業が保有するWebサイトのほうが優位です。大手企業中心にコンサルティングしているSEO対策会社の場合、中小企業のSEO対策で効果を出すことが難しい可能性もありますので、中小企業の実績も確認すると良いでしょう。
他の判断材料としては、自社でWebメディアを運営しており、安定したトラフィックを獲得している実例を保有しているSEO対策会社であれば、2024年最新アルゴリズムにも対応できており、安心してSEO対策を任せることができるでしょう。
個人は危険?契約書の内容
委託費用は安いが契約期間が異常に長い、契約期間が設定されていない、ブラックハットSEOに対する記述がない、このような契約書は注意が必要です。
SEO対策で効果が出ない場合、当然ながら委託先を変更するかどうかが議論されます。その際に、契約期間・解約条件が明確になっていると安心です。個人がダメという訳ではありませんが、契約関係については大手企業のほうがしっかりと準備しているでしょう。
コミュニケーションの相性
コンテンツSEOはWebページが制作されますが、コンサルティングなどSEO対策は基本的に無形サービスとなります。
上手く伝わっていない、言ったことに対応してくれない、専門用語ばかり使ってよくわからない、このようなコミュニケーショントラブルは、無形サービスの場合リスクが大きくなります。
安心して任せられる担当者であるか、意思疎通できてしっかりコミュニケーションがとれるSEO対策会社を選んでください。
SEO対策費用まとめ
SEO対策を外部に委託する場合、大きくわけて固定報酬型・成果報酬型のSEO対策がありますが、一般的には固定報酬型のサービス提供が多いでしょう。成果報酬型は予算計画が立てづらく、どうなっているか進捗を把握しづらいデメリットがあります。
SEO対策はコツコツ継続的に取り組む必要があるため、進捗を確認しつつ、優先順位を調整できる固定報酬型SEO対策のほうが安心でしょう。
固定報酬型のSEO対策は、以下のようなサービス分類となります。
SEO対策サービス概要 | 費用・料金の相場 |
---|---|
コンサルティング | 10万円~50万円(スポット・月額など) |
コンテンツSEO(コンテンツ制作) | 5万円~(1ページあたり) |
SEO内部対策 | 10万円~100万円程度 |
SEO外部対策 | 5万円~15万円程度 |
SEOサイト設計費用 | 10万~100万円程度 |
まるっと任せるコンサルティングが良いのか、コンテンツSEOだけ委託するのか、社内リソース・マーケティング予算・事業目標を踏まえて検討してください。
SEO対策会社を選ぶ際は、直近のSEO対策の事例があるのか、自社でWebメディアを運営しているのか、サービス対象範囲は希望どおりか、など事前にしっかり確認する必要があります。
SEO対策は、初期投資が必要であり、すぐ効果が得られないため挫折しそうになりますが、コツコツ継続的に取り組むことで効果が得られ、長期的には事業にとってインパクトのあるマーケティング効果が得られます。