ネットやSNSでたくさんのSEO対策に関する情報が流れています。
SEO対策をするうえで、リソースや予算が限られているため、低予算もしくは自分で実行でき、かつ高い効果が期待できる施策の優先度を高める必要があります。
ここでは自分で実行できるSEO対策の一例と、反対に実行する必要のない対策(やっても意味がない対策)について解説します。ぜひ参考にしてください。
必要ない・意味ないどころかNG!やってはいけないSEO対策
ネットやSNSで数あるSEO対策が紹介されていますが、そのなかで意味がなく対策する必要がない施策もいくつかあります。
意味がないだけならまだしも、SEO評価としてマイナス影響を及ぼす施策もあります。
- 低品質なコンテンツをたくさん作って公開
- 自社サイトに大量の被リンクを送る(被リンクを購入する)
それぞれ以下で解説します。
低品質なコンテンツをたくさん作って公開
Webページを制作して公開すれば、必ず検索結果に表示される(インデックスされる)と思っている人もいるでしょう。しかし、低品質なページはインデックスされなくなってきています(検索結果に表示されなくなっています)。
- ホームページをリニューアルしたので、情報発信のためブログをたくさん書いてPRを頑張る。
- ホームページ上のブログを活用して情報発信するよう、コンサルや制作会社にアドバイスを受けた。
- リスティング広告のコンバージョンキーワードデータを活用するため、ブログや新規ページを公開してSEO対策するよう代理店から勧められた。
動機は様々なれど、このようなケースがあり、自社ホームページ上でブログや新規ページ公開を頑張っている人も多いでしょう。
しかし、この努力には注意が必要です。せっかく公開したブログや新規ページが低品質とみなされた場合、SEOとしてマイナス評価を受けることになります。
これはGoogle検索セントラルでも以下のように記述されており、低品質コンテンツはサイト全体のランキングに影響が及ぶことが具体的に明記されました。
ウェブサイトの一部に質の低いコンテンツが掲載されている場合に、サイト全体のランキングに影響が及ぶ可能性があります。そのため、質の低いページを削除する、コンテンツの内容が薄いページを有用なページに統合するか改善する、または質の低いページを別のドメインに移動することによって、コンテンツの質が良くなり、掲載順位が上昇する可能性があることをもう一つの具体的なガイダンスとして提示しています。
引用元:Google検索セントラルブログ
低品質コンテンツについて、今まではインデックスされない(検索エンジンの検索結果に表示されない)という事象で済んでいましたが、今後はSEOとしてマイナス評価を受けることになります。
では、どのようなページが「低品質コンテンツ」とみなされるのでしょうか?弊社としては、以下のようなページが低品質コンテンツに該当すると考えています。
- 掲載情報の信憑性やサイト運営者の信頼性が著しく低いページ
- 動画や広告だらけのブリッジページ(※)
- 他サイトの内容をコピーしたコンテンツ
※他Webページへの遷移を目的としたページで、独自コンテンツが掲載されていない。
ブログ・新規ページ=低品質コンテンツ、という訳ではないので安心してください。ホームページ上でのブログや新規ページ公開であれば、低品質コンテンツと判断されるケースは少ないでしょう。
しかし、有用性のあるブログ・ページでない場合、検索エンジンにインデックスされない可能性が高いです。インデックスされない場合は検索結果に表示されないため、その点ではブログや新規ページは意味のないSEO対策になってしまう可能性があります。
有用性のあるブログ・ページとするためには、ユーザーの検索意図をしっかり捉え、ユーザーの検索行動のニーズを満たす必要があります。
自社サイトに大量のリンクを送る
昔ほどの効果はないといえども、他Webサイトからの被リンクは、SEO対策として高い効果が期待できます。
特にドメインランクの高いWebサイトや、権威性のあるWebサイト、ジャンルの関連性が高いWebサイトからの被リンクであれば、より高い効果が期待できます。
しかしながら、被リンクが効果が期待できるからといって、被リンク用のページを大量に生成し、自社サイトへリンクを送る手法は、絶対にやってはいけません。スパム・ボット的な大量の被リンク獲得は、ブラックハットSEOとして捉えられており、検索エンジンからペナルティを受ける可能性があります。
一度ペナルティを受けると、対象ドメインでのリカバリーは難易度が高いものとなります。
あくまでナチュラルな被リンク獲得を目指してください。
SEO対策を外注する場合も、このような大量の被リンク獲得施策をやっていないか確認してください。また、大量の被リンク獲得(ブラックハットSEO)はやらないという旨を契約書に記載しておき、万が一やっていた場合は損害賠償を請求できるよう契約書を交わしてください。
何をすればいい?自分でできる意味あるSEO対策のやり方
SEO対策は大きくわけて内部対策・外部対策に分類されます。システム・プログラミング・htmlなどWeb関係の知識や業務経験によって、自分でできるSEO対策の選択肢は変わってきます。以下で解説します。
Web系の知識・経験が乏しくてもOK!自分でできるSEO対策
システムやプログラミング、Webのことはわからない…という人でも、自分でできるSEO対策はあります。
- SEOライティング
- 被リンク営業
SEOライティング
SEO対策を意識してライティングを行う手法です。自分が書きたい文章を自由に書くだけでは、SEO上位掲載は難しいです。SEOでしっかり集客したい場合、SEOライティングを行う必要があります。
SEOライティングの順序としては、以下のような流れとなります。
- キーワード選定
- キーワードグルーピング(ページを分けるか分けないか検討)
- titleおよび見出し構成の検討
- ライティング(キーワード出現率なども意識すると◎)
- ページ公開(altなど活用)
ざっくりこのような流れとなりますが、1〜3の工程で結果が決まってしまうといっても過言ではありません。
キーワード選定のうち、ページを分けるかどうかの判断は、ゆくゆく検索結果のカニバリの有無に影響してきます。
titleタグや見出し構成については、ユーザーの検索意図を調査したり、SNS投稿を参考に検討します。SEO上位表示を狙ううえで検索意図を満たすことが重要になりますので、titleタグや見出しタグは慎重に検討する必要があります。
具体的には、以下のようなツールを活用して検討します。
ラッコキーワード
無料で利用できるツールです。サジェストキーワードや関連キーワードを調査できますので、調査で得られたキーワードをtitleや見出しタグに挿入します。
再検索キーワード調査ツール
SEOエキスパートである柏崎さんが開発・公開しているツールです。ターゲットキーワードを検索したユーザーが、次に検索したキーワードを調査することができ、ひとつのキーワードをもとにユーザーの検索意図を紐解いていくことができます。
無料でこんなに便利なツールが利用でき、弊社もとても助かっています。柏崎さんのX(Twitter)をまだフォローしていない人は、ぜひフォローしてSEO最新情報を追いかけてください。
Ahrefs(エイチレフス)
こちらは有料ツールになります。競合ページがどのようなキーワードで上位掲載されているか調査でき、検索ボリュームやトラフィック想定数も参考にできます。競合サイトの被リンク調査もできますので、有料でも利用する価値のあるツールです。
被リンク営業
リンクを貼ってくれるかどうかは、相手次第のところもありますが、被リンク営業までは自分でできる範囲です。
弊社としては、以下のような被リンク営業を行っています。
- 広告掲載など掲載希望が届いた企業に対し、相手企業が保有するWebサイトやブログにて、弊社Webサイトを紹介してもらう。
- すでにリンクを貼ってくれているWebサイトに対し、リンクの貼り方を相談する。(関連性の高いテキストリンクなど)
- 競合サイトへ被リンクを送っているWebサイトに対し、弊社Webサイトの存在をPRして掲載してもらう。
リンクを貼ってくれるかどうかは、相手方の判断になりますが、もしリンクを貼ってくれた場合は高いSEO効果が期待できます。
被リンクはWebサイトとして大きな資産となるため、ちょっとずつでも継続していきましょう。
Web系の知識・経験が少し必要だけど自分でできるSEO対策
WordPressの管理画面の操作ができたり、Web系の知識や業務経験が少しあると、自分でできるSEO対策の幅が広がります。
- titleタグや見出しタグの最適化
- URLの正規化
- 動画・画像のマルチメディア挿入
- 内部リンク
titleタグや見出しタグの最適化
SEOライティングで前述しましたが、SEOで集客したい場合、キーワード選定やtitle・見出しタグ選定はとても重要なポイントです。WordPressやhtmlを自分で触れる場合、titleタグや見出しタグを変更することができます。
WordPressのテーマにもよるかもしれませんが、各投稿ページごとにtitle・description(ディスクリプション)を設定することができます。また、投稿ページのタイトル(見出し)箇所が見出し=h1となります。
投稿ページの本文中では、段落ブロックなどコンテンツの選定が可能ですが、そのなかで「見出し」を設定することができ、h2~h6あたりまで設定することが可能です。
最初に公開したページでは思うように掲載順位が向上しない場合、titleや見出しタグを変更し、あわせて本文を少し編集するだけでも、SEO対策として効果が出る場合があります。
ページのリライトを行ったり、ページ内容をアップデートした場合、必要に応じてtitleや見出しタグも最適化してください。個人的見解としては、予算に限りがあるなかでも、titleタグや見出しタグの最適化はぜひ行ってほしいSEO対策となります。
ページに変更を加えた場合、Search ConsoleでURL検索→インデックスリクエストを行うこともオススメします。
URLの正規化
Googleアナリティクスでページ分析した際に、「/」有り無しや「html」有り無しのページがそれぞれ計測されているのを目にしたことはないでしょうか?
https://◯◯◯.co.jp/index.html
https://◯◯◯.co.jp
ユーザーの滞在時間やページビュー数などのユーザー行動のページ評価が分散されており、SEO対策をするうえでマイナス評価になる可能性があります。
対策としてはcanonicalタグ設定および301リダイレクト設定を行います。
canonicalタグは以下のようなタグとなりますが、WordPressのテーマに標準搭載されているケースが多いです。
301リダイレクトは、正しくないURLから本来正しいURL(正規URL)へリダイレクトを設定します。(WebサイトのURL変更の場合などにも利用されています。)
WordPressであれば、リダイレクト設定できるプラグインで簡単に設定できます。弊社では、Redirectionというプラグインを利用しています。
以下のように、正しくないURLにユーザーがアクセスした場合、正規URLへリダイレクトをかける、と簡単に設定することができます。(厳密にはURLの完全一致や部分一致など、細かくコントロールも可能です)
WordPressのプラグインを利用しない場合、「.htaccess」ファイルをダウンロードして転送条件を追記し、サーバーにアップロードを行います。
注意点として「.htaccess」の記述を誤るとサイト全体がエラー表示になります。自分でできるか怪しい人は制作会社やWebに詳しい人に頼ってください。
動画・画像のマルチメディア挿入
文字だけの解説だけでなく、動画や画像を活用してください。
構造化データやaltタグを利用することで、どのような動画や画像がページに含まれているか検索エンジンに伝えることができます。
WordPressであれば、画像を選択してalt(代替テキスト)として設定可能です。
ユーザーの滞在時間の向上も期待でき、ユーザビリティ向上によるSEOプラス評価も期待できます。
内部リンク
内部リンクも自分でできるSEO対策です。
関連性の高いページ、強化したいページ、ユーザーにとって有益な情報になりうるページなどに対し、内部リンクを送ってください。
とはいえ、むやみやたらに設置するのはNGです。数本程度に留めるのが良いかと思いますが、悩ましい場合、ユーザビリティ目線で内部リンクを設置してください。
このページを読んでいる人は、このページの情報も参考になるはず!という視点でOKです。自ずと内部リンクのクリック率も高まるでしょう。
初心者におすすめ!SEO対策が自分でできるようになる書籍
SEO対策の成果は、SEO対策に取り組む人の知識や経験によって大きく左右されます。以下に紹介している書籍を参考に、まずはしっかりとした基礎知識を身につけることをオススメします。
いちばんやさしい新しいSEOの教本 第3版 人気講師が教える検索に強いサイトの作り方 E-E-A-T対応
いちばんやさしいシリーズのSEO編の書籍です。いちばんやさしいシリーズは、SEOだけでなくリスティングやGoogleアナリティクスなど、それぞれのテーマにて出版されています。
SEOの目標設定や効果分析など、SEOの初心者にもわかりやすくまとまった書籍です。「E-E-A-Tチェックリスト」もあり、2023年のSEO対策の内容へアップデートされています。
目からウロコのSEO対策「真」常識
再検索キーワード調査ツールで紹介した、SEOエキスパートである柏崎さんが著者である書籍です。
やや難しい内容も書かれていますので、いちばんやさしいシリーズを読んだ後に、レベルアップの1冊としてオススメします。再検索キーワードの調査など、具体的な内容が書かれている点も◎。
SEO対策は日々進化しており、検索エンジンアルゴリズムも変化を続けていますので、この1冊買って勉強すればOK!という訳ではありませんが、考え方や施策の基本を学ぶことはとても重要です。基本を身につけたうえで、トレンドにあわせた施策を進めてください。
常にアップデート!SEO品質ガイドラインもチェック
検索品質評価ガイドラインとは、Googleの外部評価者が検索エンジンや検索結果の品質を評価するためのガイドラインのことです。
SEOのアルゴリズムは常にアップデートされていますが、品質評価ガイドラインも常にアップデートされています。
検索品質評価ガイドライン「General Guidelines」は、定期的にアップデートされていますが、基本的に日本語版はなく英語版のみ公開されており、なかなかのボリュームです。
これらを紐解くのはちょっと大変…と感じる場合は、日本語にも翻訳されている「Google 検索の基本事項」を参考にしてください。
その他、X(旧Twitter)では、SEO対策に関する情報がたくさん流れています。なかには誤りや虚偽の内容も多いため、フォローの見極めが大事です。
個人的見解となりますが、SEO対策をしっかりやっていく場合、以下のようなXアカウントをフォローし、最新の情報をアップデートすることをオススメします。
検索エンジンアルゴリズムのアップデート期間への突入など大きな変更が生じた場合も、Xアカウントにてキャッチアップすることができます。
自分でできる!SEO対策のおすすめツールについて
ここでは、自分でできるSEO対策を進めるうえで、便利なSEO対策ツールを紹介します。
ラッコキーワード
再登場のラッコキーワードツールです。以下のような機能を利用できます。
サジェストキーワード取得
上位掲載サイトの見出し取得
上位掲載サイトの共起語取得
SEO対策ドットコム
SEOエキスパートである柏崎さんが開発している各種ツールを利用できます。
再検索キーワード調査ツール
トピッククラスター構築ツール
検索ボリューム調査ツール
キーワード難易度調査ツール
競合キーワード調査ツール
利用にはそれぞれパスワードが必要ですが、パスワードは柏崎さんのXアカウントで公開されています。(週ごとに変更)
Search Console
SEO対策するうえでマストとなるツールです。Googleが公開しており、Webサイトオーナーであれば無料で利用できます。
インデックスリクエスト
クエリごとの順位やページごとの順位モニタリング
被リンク状況のチェック
クロール統計情報のモニタリング
ruri-co
キーワードの類似度を分析できます。ターゲットキーワードで上位掲載されている多くのページが順位取得しているキーワードを確認することで、ユーザーの検索意図を捉えることができます。
Convertio
こちらは画像フォーマットを変更できるツールです。ページスピード改善には画像フォーマット変更が必要な場合もありますが、Convertioなら無料で簡単に変換できます。
SEO対策ではSEOライティングが重要なポイントとなりますが、SEOライティングを行ううえで活用できるツールが無料でたくさん公開されています。自身のやりやすいツールを見つけて有効活用してください。
効果が出るまで半年は覚悟!忍耐力も必要
SEO対策を実行した後は、効果が出るのが待ち遠しいですね。
しかしながら、SEO対策が効果として現れるまでには日数を要します。前述したGoogle検索セントラルでは、SEO対策を実行してから効果が現れるまで、4ヶ月~1年程度日数を要すると記述があります。
成果が出るまで時間がかかることを忘れないでください。変更に着手してからメリットが得られるようになるまで、通常は 4 か月から 1 年かかります。
Google検索セントラル
さらにこの4ヶ月~1年程度の目安については、以前から公開していたホームページの場合となり、新規ドメインの場合、さらに長い期間を要することになります。
新規ドメインで公開したばかりのWebサイトでは、公開済みである競合サイトに比べて情報量が少ない傾向があるため、クローラーに発見してもらうまでに日数がかかり、インデックスされるまでに日数を要することになります。
SEO対策は効果が出るまで日数を要し、かつコツコツと積み上げていく必要があります。効果が見えづらく、良かったか悪かったの判断もしづらいため、広告予算として決済をとりづらいでしょう。
リスティング広告であれば、広告予算を配分することで、クリック数(サイトアクセス数)は確保できるため、得られる効果がイメージしやすい施策となります。
SEO対策の効果や取り組んでいる施策についてなかなか理解が得られづらく、効果が出るまで継続するには根気強く忍耐強く取り組む必要があります。
自分一人では続けるのが難しそう…と感じた場合、SEOライティングを外注化して広告予算として計上する、など外部パートナーを巻き込む方法も良いかもしれません。
自分でできるSEO対策まとめ
SEO対策では効果が期待でき、かつ自分でできる施策も多いです。
- SEOライティング
- 被リンク営業
- titleタグや見出しタグ最適化
- URLの正規化
- 動画・画像のマルチメディア挿入
- 内部リンク
これらの施策であれば、システムやWebに関する知識が豊富でなくとも実行できる対策となります。
ここでは紹介していませんが、構造化データやクローラビリティ最適化など、他にも対策方法はありますが、まずは自分でできるSEO対策を実行し、どの程度効果が得られたが分析してください。
その他、低品質コンテンツ制作や、大量の被リンク生成は、効果が出ないどころか、検索エンジンからペナルティを受けるリスクがあります。これらのはブラックハットSEOとして捉えられているため、これらの施策には手を出さないでください。
一度ペナルティを受けると、対象ドメインでのリカバリーはかなり難しくなります。
SEO対策の効果が現れるまで、4ヶ月以上など日数を要することになりますが、上位掲載を実現できたときのビジネスインパクトは大きいものになります。長期的視点にて、コツコツ積み上げていきましょう。
ひとりでは継続が難しい場合、SEO対策コンサルティング会社等、外部パートナーにも参画してもらい、少しずつでも積み上げていきましょう。